入賞のよろこび
入賞のよろこび
◎寒蘭本花展
加西フラワーセンター長賞 銀 風
岩本 孝之
青々花の澄んだ花が好きで、銀風もあこがれの花でした。私が好きなことを知った会員の方から送っていただき、うれしかったことを覚えています。新芽がよく出て作りやすく、銀鈴などより花間があって、いい花です。「品のよさ」を念頭に、大切に作っていきたいです。
相生園芸センター賞 北薩の誉
渋谷 博
我が家の寒蘭は昨年同様に開花が遅れたことで、咲いた花は色濃く、よく冴えて咲きました。
入賞した北薩ノ誉は7花の大輪を付け、桃花種と思えないほど紫紅色に濃く、落肩咲きを感じさせないほどに仕上がり満足しております。
桃花優勝 日 光
岩本 孝之
今年は開花が遅く、当日出展を迷いました。花は半分ほどしか咲いていませんでしたが、大株が多い出品の中で全体が引き締まり、姿のよい点が評価されたと思います。少々面映ゆい作です。会員に請われてすぐに嫁に行きました。
黄花優勝 金 鵄
平井 裕
本花会の黄花部門の優勝花の席をいただきありがとうございます。この金鵄は西谷産がブームだった昭和の終わり頃入手した株で、ラベルを見てみると平成二年十一月初花開花とあるから、もう三十年以上うちの棚にいるということになります。育てるのが下手なのか今でも一鉢のままですが、毎年安定した色で咲いてくれます。西谷産ブームが去って久しいですが、安定した黄色で咲く花は貴重だと思います。これからも大事に育てていきたい株の一つです。
更紗部門優勝 泰 翔
渋谷 博
泰翔は日本一や力王と同坪で、寒蘭の産地で有名な長崎県白西平、一の谷産の花です。花は産地特有の厚弁大舌無点系の更紗花です。
棚入れして、まだ3年程の中木ですが、3花が咲きました。まだ本咲きでなかったのですが、我が家の棚では初花であり、また本会では出品されたことがない花でしたので出展しました。
今後は一層上作に仕立て本咲きの花をお見せしたいと思っております。
青花優勝 土佐無銘
岩本 孝之
名の浦産らしく花弁が細長く大きく伸びる。いまから十年ほど前加西フラワーセンターのログハウスで行った展示会で、故吉見さんが出品したこの花は実に素晴らしいものでした。花型花色とも最高でした。その印象が焼き付いていて、この花を手に入れた時は感激しました。強い花でよく殖えます。ただ、あの時のような花には遠く及びません。
文人作優勝 素豊
森江 潤二
素豊は昨年の竹鉢植込みの株と同株。今回は自作鉢での出展でした。楚々とした咲様は優しく、花付きも良く育てやすい品種です。本株は千年亡くなられた井澤宏様より譲り受けたものです。早いもので三年が過ぎましたが、小生本会入会時井澤様に大変お世話になりました。また白妙の生育が悪く培養依頼があり、三年間育てお返しした経緯等、昨日のように思い出されます。改めて井澤様を偲びご冥福をお祈り申し上げます
交配種優勝 酔 湖
林 淳浩
今年の寒蘭展で私の出展した酔湖が優勝に選ばれ、大変うれしく思います。今年の交配種の鉢数が少なく、賞に入るのは期待していなかったので、心苦しく思っております。次の出展の時はもっと自信の持てるような姿に作って出展したいと思います。
柄物部門優勝 春 光
渋谷 博
春光は球磨産の花で、柄が安定した良花です。何回か入賞させてもらっているので、出展は控えたいと思ったのですが、例年より一層よく咲いたので出展しました。
私なりに言えば、春光の花は第一花が高付に咲き、葉と花間が空きすぎ、天花に積む性質があるのですが、今年の春光は葉と花間が空くことがなくバランスよく咲き、しかも葉の柄もむらがなく鮮明であったので出展しました。
花軸を伸ばすことは容易ですが、第1花の伸びを押さえ花間をとることは難しいと思われます。偶然に咲いたとは言え満足しております。
◎寒蘭早花展
紅花金賞 御神錦
渋谷 博
我が家の寒蘭達は、昨年同様に花期が遅れ、早花展に出展できたのは、この御神錦1鉢でした。それもまだ咲き切っておらず、天花が蕾の7輪咲きでした。
御神錦は早咲き種で、早期に咲くと無点に咲き難いのですが、開花が遅れたことで無点に咲き、花も桃紅色に濃く
よく冴えた作品となりました。
◎柄物展優勝
銀 月
岩本 孝之
葉がほとんど白く抜けるので、葉焼けしやすく大変作りにくい蘭です。確か球磨産であったと思います。はじめ大内春仁さんから手に入れたと思いますが、枯らしてしまいました。この花は業者から入れた二度目の木です。花は青花で白い覆輪がかかり、舌も小さな赤い点が縁取りするような、それで月と名付けたのかと思う美しい花です。一度咲きましたが、本咲きには遠く及ばず、ちょっと変わった青花の程度でした。販売のパンフなどの写真と実物は違うものですね。こちらの技術不足もさりながら。
◎春蘭展
総合優勝 篤 姫
林 淳浩
この度、私が出展した篤姫が総合優勝の栄誉を頂き、ありががとうございます。
篤姫は4年前に棚入れした交配種の赤花です。私が蘭を作り始めてから、もう三十程年になりますが、春蘭の発色についてはあまり関心がなく、今迄は珍品に強く興味がありました。
ところが二年前、本会の会誌「素心」に「春蘭の咲かせ方」と称して、前会長が掲載された記事を読んでから色花に挑戦する気持ちになり、頑固な私に似合わず、この記事を素直に受け入れ、土盛りやキャップの時期などを参考にして作りました。
これを基に私が行ったことは、作場が二階にあり日当たりがよいので、夏場は頻繁に冠水したこと。キヤップを除いた冬場の管理は、日陰に置くようなことはせず、朝日を十分に採りました。その結果、篤姫だけでなく、色花のほとんどが色よく咲いてくれたので驚いています。
今後は一層真剣に色花の発色に努め、魅力のある花を咲かせたいと思っています。
相生園芸センター賞 清 香
平崎 清志
清香を棚入れして、もう4年になりますが、とても作りやすい赤花で濁りがなく優れた品種だと思います。
今年入賞させて頂いた作品は、葉に全く汚れがなく、5篠の株に花3輪を付けました。
今年の花は今までに咲いた花の中で、花が大きくて色濃くよく冴えて一番優れた花であつたと思います。
朱金部門 優勝 春 華
平崎 清志
春華は古い品種で高知県産です。出始めた頃は通称、高知朱金と呼ばれていましたが、その後に春華と命名された花です。
今年の春華は、大輪の花を三花付けました。朱金色濃く花も大きくて、私の棚では今までに咲いた花の中で一番よく咲いてくれました。
複色花優勝 山の端
岩本 孝之
昔極めて高価な花でした(昔をいえばどの花もそうですが)。長い間に大株になり、大葉が鉢を覆って、すごい株になりました。花芽もたくさんついたので、加温ケースに入れました。ただ取り出すのが二日前で花茎がぐらぐらしていました。花を減らし、向きの調整を指導していただき、みられるようになりました。展示のためには色々テクニックが要るものだと知りました。展示の二日目からはシャキンとして見応えのある堂々とした作品になりました。ありがとうございました。
青花部門 優賞 のぞみ(仮称)
渋谷 博
のぞみは鳥取産で、弁元に薄く紫色を帯びた大輪花です。
本来の花色に咲いていなかったのですが、出展数が少ないことを心配して、1鉢でも多くあればと思い、青花として出展しました。この花の色出しは難しく、今後一層の努力を重ね、色よい花を出展したいと思っております。
韓国花部門 優賞 大黒天
渋谷 博
この花は韓国産の古い紫花で、気温に関係なく紫色濃く安定して咲く優れた品種です。
もう十数年前に小木を入手しましたが、成長が鈍くて、まだ花が付くとは思っていませんでした。
花芽に気がついたのは11月下旬でした。木も花芽も小さかったので花が付くとは思っていなかったのです。
我が家では初花でしたので出展しました。今後は上作に仕上げ、よい花を出展したいと念じております。
◎ 第四回 九華・エビネ・山野草展
優勝 紫宝
渋谷 博
エビネ界が全盛期であった昭和五十四年ごろだったと記憶しております。
その当時、私は寒蘭に夢中で、エビネには関心がなかったのですが、妻がそごう百貨店で開催されたエビネ展を見て、香りのあるエビネが欲しいと言う。私は寒蘭をよく買っていた手前上、エビネを買うことにしました。
当時、香のあるエビネと言えば、コオズ系で伊豆諸島に自生している程度しか知りませんでした。その話を友人に話したところ、偶然にも神津島に知り合いがいるとのこと、幸いにして地元の趣味者から苗木7株を送ってもらったのです。
それから数年後、次ぎ次ぎと花が咲き始め、コオズ産のエビネ特有の桃色を帯びた花が咲き、しかもよい香りがするのです。妻以上に私の方が感激してしまいました。
最初に咲いた4鉢の中で、花弁に濁りがなく桃色が鮮明で、甘すっぱいよい香があり、この花を初恋と仮称しました。後に紫宝と仮称したエビネは作が上がらず、その4年後に一番遅れて咲きました。この花を見て再度感激したのです。紫紅色濃く花形よく、そのうえ香りよしでした。このエビネを紫宝と仮称したのです。
その当時、コオズエビネの中で一番有名であったのが、大紫香でした。高価で入手できなかったエビネでしたが、その十数年後、エビネ界が低調期になったころ、大紫香を入手し、咲いた大紫香と紫宝と見比べました。一見してほぼ同様に見えたのですが、よく観ると紫宝の方が、花弁の色が濃く、舌の形も円みがあり薄紫色が濃く、大紫香より優れたエビネだと私は思いました。
妻に感謝!感謝!です。今後は大切に育成し、次期愛好者に継承したい所存でおります。
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