「徒然」なるままに
坂根 亮
南大阪でフーランが槙の樹に自然生えしたこと
平成十四年八月、夫婦で京都北西部の久美浜へキスの投げ釣りに行きました。当日も翌日も海は大荒れで全然釣りにならず、二日目の早朝に宿の前の久美浜湾(内海)で釣っていると、同宿の男性が散歩に来て釣り好きとかで、いろいろ趣味の話をしていたところ、たまたま蘭の話になり、その方の家の庭にある槙の幹に十年程前にフーランが着生し、その後順調に成長しているとのことでした。知り合いの植物愛好家に話をしたところ、すぐに見にこられ、フーランの根に水ゴケを巻き、後日、採りに来られたとか。少し残して帰られたのが、その後も順調に成長してきており、美しい白い花をつけているとのことであった。場所は富田林市の一画で家の後方に森があり、植物の育成には好都合とのことですが、どうしてフーランが着生したのか、御本人も知人も見当がつかないとのこと。非常に珍しい話なので、と思い筆をとったのですがフーラン等の着生らんの生態に詳しい方がおられたら、おききしたいと思います。近畿地方の山の中で自然生えのものがあるのかどうかもお教え下さい。
四国で寒蘭の哀れな姿を見たこと
この夏に息子達と四国一周旅行に出かけた時のこと。観光と釣りと、美味しい料理が目的で出発、中国自動車道から「しまなみかいどう」を通って今治市から四国に入りました。さすが四国、車の量も少なく、順調に行き、西から東へ一周して五泊六日の旅を終えました。さて、その中で第三日目の昼前、宇和島市の南で休憩のため「道の駅」に入ったところ、いろいろな品物の中に寒らんの株を置いた一画がありました。折角来たのだから一株位、記念に買って帰るつもりで品物を見ると、十株程の水ゴケ巻きのものでしたが、どれもこれも水不足とクーラーの影響と思われ、大部分がシオれて、中には枯れているのもありました。
売店の人は無頓着なのか、誰も気にとめないのか、と可哀そうにと思いました。四国の人は蘭のこと、特に寒蘭には親しみが深いと聞いていましたが、山採り品だということでしたが、自然の破壊につながることで淋しい思いをしました。もっとも、このような状況では持ち帰る訳にもゆかず、その店を出ましたが、山採りだけに残念でした。
縞葉の草に白い花が咲いた>
数年前のこと、身内の一人から蘭に似た葉にスジの入ったものを頂戴したが、育ててほしいとの連絡が入り、我が家へ持参されました。
葉幅は少し細く葉には縞が入り、なかなか美しいものでしたが、根が蘭特有のウドン根ではなく、蘭とは違うと話をすると、置いて行くから育ててみてくれとのことでした。
順調に大きくなって昨年二株に分株したところ、今年七月に花芽がのびてきて白い花を一本の花茎に三十近くつけて咲きました。蘭ではないのですが、「りゅうのひげ」の仲間かと思いますが、小さな美しい花で楽しんでおります。今年はもう花も終わりなので、次の機会に見ていただきたいと思っております。
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